龍太郎一味のご無体な学園生活

忠邦とドールの馴れ初めも一風変わったもので、曰く付きの土地を手に入れたものの、普通の人間では手に負えない呪いだか何だかの類で困り果てていた忠邦の為に、偶然知り合ったドールが一肌脱いだ事で親密になったとか。

「お母様は私と違って、痛みの魔術以外にも色々使えますから」

喜屋武が皆に説明する。

「ああ…今度天神地区郊外の土地の開発も頼まれていてね。ほら、あの沼のある辺りの土地があるだろう？」

「……」

忠邦の言葉を、誠一郎が黙って聞いている。

「あそこも何やら『出る』という話があったのでね、ドールに何とかしてもらおうと思ってたんだが…最近、あの噂もめっきり聞かなくなったねぇ…」

顎を撫でる忠邦。

その『出る』存在が生徒達の一人にとり憑いているなどとは夢にも思うまい。