龍太郎一味のご無体な学園生活
「それにしても学園長先生、今日は随分と龍太郎に花を持たせましたな」

ウェスタがアクエリスにアタリメを分け与えながら言う。

分けているのはアタリメだけ、当然酒はお預けだ。

「うん?ウェスタ先生はそう思うかい?」

微笑むアルベルト。

「アレでなかなか龍太郎は成長しているよ…中国拳法による体術だけなら、もう天神学園でもトップクラスと言っていいほどにね。ただ残念ながら、この学園には体術だけでは勝てない猛者がゴマンといる…今の龍太郎でも、まだまだ最強と呼ぶには早いけどね」

「なら尚の事、彼に花を持たせたんじゃありませんか?」

バルナが言うが。

「いやいや…今日のスパーリングで僕が退いたのは、あのまま続行したら結界が貫かれて、喜屋武さんの屋敷にまで被害が及ぶと思ったからさ…それだけの力を臥龍から引き出す能力を、龍太郎は得ようとしている」

グイと猪口の熱燗を飲み干して。

「甘く見てると、ウェスタ先生やバルナ先生でも痛い目に遭わされるかもね」

アルベルトは笑った。

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