龍太郎一味のご無体な学園生活
空を切り裂くような音と共に放たれるフリッカージャブ!

相変わらずの軌道が予測し辛い拳だ。

試合が始まってから、龍太郎は一度も回避できていない。

今度もいいように打たれ続ける。

が。

「逃げるのはもうやめだ!」

大雑把な龍太郎らしい選択。

多少の痛みは我慢して、一気にハードブローを叩き込みにいく。

一撃の威力ならば、体重のある龍太郎の方が上なのだ。

数発も打ち込めばダウンを奪える筈。

龍太郎の作戦は読めていた。

止まらない龍太郎に、拳を引き付けて構える拓斗。

「もうフリッカーじゃ止まってやんねぇぞ!」

接近してくる龍太郎。

だから。

「うん…わかってる」

拓斗は不敵な笑みを浮かべた。

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