龍太郎一味のご無体な学園生活
喧騒から離れた、非常階段の一角。

「もしもし?なーちゃん?」

銀はいつものようにスマホでなーちゃんと話している。

相変わらずのデレデレぶりかと思われたが、銀の表情は神妙だった。

「ああ…うん…言ったよ。リング上、大勢の観客が見ている前でね…禁書の事も、それを俺が長年体内に封じている事もね…」

焦ったようにまくし立てる女性の声が、スマホから漏れ聞こえる。

「にゃははっ、心配しなさんなぁ」

笑う銀。

「やっぱ天神学園っておかしいよ。誰もドン引かないんだぜ?ちょっと免疫ありすぎだよねぇ…それどころか、小岩井さんや御衣黄先生が、自分達の結界で禁書を何とかできるかもって、さっき相談に乗ってくれたよぉ…とりあえずその件はタイマントーナメント終わった後でって、丁重にお断りしたけどさあ」

再び漏れ聞こえる女性の声。

その声に。

「うん、そうだね…」

銀は微笑んだ。

「いい奴ばっかりだよ、天神学園」

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