龍太郎一味のご無体な学園生活
ここは何処だろう。

少なくとも学園ではなさそうだ。

メルは薄暗い倉庫のような場所で、薄く笑いながらゆったりと歩を進める。

壁にかけられているのは、無数の武具。

ざっと見積もっても数百はあるだろう。

もしかしたら千を超えているかもしれない。

「ウフフ…バルムング、ストームブリンガー、ゲイヴォルグ、レーヴァテイン…」

指で数々の武器をなぞりながら、メルは恍惚とした笑みを浮かべる。

「嬉しいわあ…どれでも使える…使い放題…誰にも叱られずに、どの武器でも自由に使っていい…そんな相手、今まで小岩井お兄様くらいしかいなかったのに…ウフフフ…」

無邪気に微笑むメルの赤い瞳が。

「あら…」

倉庫のある一角に留まる。

その瞳が細められた。

「決ぃめた…故郷から持ってきたアレにしましょ…クスクスクス…」

< 1,796 / 2,031 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop