龍太郎一味のご無体な学園生活
歓声が上がる会場。

リング全体を揺るがすような声援は、まるで咆哮のようだ。

そんな中、円を描くようにゆっくりと動く二人。

静かな立ち上がりだ。

「龍太郎さぁ…」

第一声は銀からだった。

相変わらず呼吸は荒い。

「棄権しちゃってよ」

「あん?」

龍太郎が怪訝な表情をする。

「俺の準決勝見たろ?この禁書はヤバイんだって…ここで棄権してくれればさあ、俺もどっか別の場所で禁書の魔力を放出してまた封印し直せるからさ…」

「ざけんな」

銀の申し出を、龍太郎は一蹴する。

「何で俺が棄権しなきゃならねぇんだ」

「だよなぁ…じゃあ俺が棄権して、お前に優勝譲るわ。禁書の事カミングアウトしたし、もうこの大会での目的は果たし「それもざけんな」

またも言う龍太郎。

「嘗めてんのかてめぇ。そんな勝ち譲られて俺が喜ぶと思ってんのか。俺のこの一年の修行の日々を侮辱してんのか」

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