龍太郎一味のご無体な学園生活
「もういい…よく脱出した…もういいから逃げろ…!」

銀が言う。

龍太郎を逃したものの、彼の右手には黒い球が発生しつつある。

これまでの試合で見せた事のない、直径5メートルはあろうかという巨大な球。

この大きさの暗黒物質ならば、ちょっとしたブラックホール並みの威力があるだろう。

ここでその悪食さを発揮したらオシマイだ。

生徒も、教師も、観客も、勿論龍太郎も、全て食らい尽くされてしまう。

「俺の事が憐れだと思ってくれるんなら…全員連れて逃げろ…お願いだから!」

悲痛な叫びを上げる銀に。

「いや…」

龍太郎は右掌を銀に向けた。

「俺があんたを助ける!」

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