龍太郎一味のご無体な学園生活
が。

「誠一郎君っ」

呼び止めたのは雪菜だった。

「あ、あのっ、天神学園には佐倉の皆さんが張っている桜の結界っていうのがありましてっ」

「…?…知っています」

首を傾げる誠一郎。

何で今そんな話をするのだろうといった表情だ。

雪菜は続ける。

「その結界って、天神学園内では憎しみや殺意や悪意は抱けないように出来ているらしくってっ…私や小岩井さんや、きっと愛さんや学園長先生や他の皆さんも、もう誠一郎君の事を恨んだり憎んだり、学園内ではしてないと思って…あっ、あっ、だからって学園の敷地内から出たらまた誠一郎君の事恨むとかそういうんじゃなくてっ…」

しどろもどろな雪菜の説明。

相変わらず要領を得ない。

「が…頑張って下さい…雪菜さん…」

口下手な小岩井は応援する事しか出来ない。

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