龍太郎一味のご無体な学園生活
こはくは、複雑で偏狭な枠組みを持つ女。

他人である龍太郎が、その人間関係にとやかく口を出してはならないのかもしれないが。

「何かあったら言えよな旦那、場合によっちゃあその琴月流ってのと一戦交える覚悟も…」

「フン、抜かせ」

鼻を鳴らす翡翠。

「俺に勝てぬ小僧が、どうして夕城と琴月の流派の争いに首を突っ込める、大概にしろ」

「で、でもよぉ…」

少しシュンとなる龍太郎に。

「気にしてはいけません、龍太郎殿」

バシャバシャと湯の音を立てて、善が近づいてくる。

「宗主殿は龍太郎殿の気遣いを嬉しく思っているのです、ただ、流派同士の争いに学園の者達まで巻き込んで迷惑をかけるのが忍びないと…」

「善」

ギロリ。

翡翠の邪眼が善を射抜く。

小さな侍は、湯の中に沈んでしまいそうなほどに身を縮こまらせた。

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