龍太郎一味のご無体な学園生活

「死神である事は辛いですか？」

背後で声がする。

振り向くと、一人の好青年が小岩井に語りかけていた。

色白で背が高くハンサム。

髪、眼ともに栗色で、瞳はふとした瞬間に銀色に変わる。

天神学園高等部1年の学年主任、因幡 兆志だ。

彼は昨年度の天神学園卒業生・死神少女こと因幡 舞白（いなば ましろ）の養父。

彼自身も元死神で、天神地区地区長を務めていたという経歴を持つ。

「近くを通りかかった時に、死神の能力行使の気配を感じたものですから…つい覗いてしまいました」