龍太郎一味のご無体な学園生活
醜く邪悪な小人、ゴブリン。

大抵のRPGの中では、冒険者が最初に遭遇する低レベルのモンスターとして描かれている。

「うわ、モンスター出たよモンスター!どうすればいいの遊里ちゃんっ?」

しっかり者の七星も、こういうゲームでは初心者、杖を握り締めたままアタフタする。

「ええっと、まずは龍太郎先輩が前に出て!」

「よっしゃ、俺は戦士だからな!」

勇敢に先頭に立つ龍太郎。

しかし装備は鍋フタの盾、布の服、棒切れ。

当然複数のゴブリン達には太刀打ちできず、集中攻撃でフルボッコ。

瞬く間に体力が減っていく。

「やべぇ!死ぬ!俺死ぬ!」

流石にゲームの中では龍太郎もそんなに強くないようで。

その隙に。

「雛ちゃん先輩は踊りでゴブリンの気を惹くの、七星ちゃんはレベル1から使える火の魔法で攻撃、小夜先輩はダメージ受けた人を回復魔法で回復してあげて。アリスカ先輩は弓矢で攻撃ね、近づき過ぎないように気をつけて」

仲間達に戦闘の手順と作戦を伝える遊里。

ま、その間に囮にされた龍太郎は死んでしまった訳ですが。

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