龍太郎一味のご無体な学園生活
「自慢じゃないけど、僕は魔法も拳闘も得意でね」

人混みを掻き分け掻き分け、アルベルトは愛の手を引きながら歩き出す。

「幻術で写し身を作り出すくらいは訳ない」

「写し身???」

「まぁ分かり易く言えば、分身の術…って所かな」

アルベルトの言葉に、愛の頭の中では巻物を口に咥えてドロンとする彼の姿が浮かぶ。

「…学園長先生は…忍者なんですか?」

「あはははっ、忍者か、そりゃあいい」

楽しそうに笑うアルベルト。

また子供っぽい事を言ってしまったと、愛は耳まで赤くなるが。

「忍者の役目は」

アルベルトは会場である体育館を出た所で、愛の小柄な体をヒョイとお姫様抱っこする。

「囚われの姫君を救い出す事かな」

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