龍太郎一味のご無体な学園生活
しばしの沈黙の後。

「……チッ」

翡翠、舌打ち。

「まだ天神学園に居座るのか…結婚してやっと厄介者が失せると思って、喜んでおったのに」

「すーっ!」

瑠璃とめのうを抱いて亭主のスピーチを聞いていたこはくが、思わず声を上げる。

「夕城…貴様っ…!」

喧嘩っ早い龍娘、ウエディングドレスのまま席を立って翡翠に突っかかろうとするが。

「また」

その拳が鼻先に触れる寸前、翡翠の言葉で龍娘は止まった。

「屋敷に飲みに来い。その馬鹿亭主と一緒にな」

言うだけ言って、仏頂面のまま。

翡翠はさっさと自分の席へと戻っていく。

「チッ…」

龍娘は薄笑みを浮かべ、その背中を見つめていた。

「あの朴念仁め…」

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