龍太郎一味のご無体な学園生活
重箱に詰められた昆布締め、伊達巻、黒豆、豚の角煮、紅白のかまぼこ、栗きんとんなどのおせち。

上品な醤油出汁の雑煮。

脂ののった寒鰤の刺身。

お決まりの丹下家の正月料理が並ぶ。

「今年は龍太郎は帰ってこねぇのか?」

龍二と熱燗をやりながら昇竜が言う。

昨年の正月に龍太郎に(力ずくで)諌められて以来、すっかり仲良くなった長男と主である。

「今年も龍太郎は補習だよぉ、もう、何とかしてよお兄ちゃんにお父さん」

雑煮を食べながら雛菊が溜息をつく。

「あらあら、困ったわねぇ…ねぇ秋帆君?」

静江が刺身を口にしていた秋帆に声をかける。

「秋帆君は、是非とも雛ちゃんと結婚して、賢い子を作ってね?丹下の血を薄くしないと、オツムの弱い子になっちゃうから」

「ぶふっ!」

思わず噴き出す秋帆。

< 675 / 2,031 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop