龍太郎一味のご無体な学園生活
生木を数本纏めてへし折ったような音。

「げはあっ!」

狒々が血を吐く。

龍太郎の一撃で、肋骨が数本折れたのだ。

如何に強靭な肉体を持つ人外でも、これでは立っていられない。

「はひゅうっ…はひゅうっっっ…」

奇妙な呼吸音を立てながら、狒々は床に這いつくばる。

戦う事はおろか、逃げる事さえ出来ない。

「こっ、殺せ…」

「あん?」

狒々の言葉に、龍太郎は怪訝な顔をする。

「人間は…異形を見れば皆化け物と罵り、山を追い、命を奪う…それが年老いた只の猿の成れの果てでも、小猿の頃は可愛らしいとチヤホヤしていた存在でもな」

「……」

面倒臭そうに頭を掻く龍太郎。

「嫌いなんだよな、そういう不幸自慢みてぇな話聞かされるの」

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