龍太郎一味のご無体な学園生活
呆ける。

呆ける呆ける。

乙は学園のシステムというものがよくわかっていなかったらしい。

「いいかい乙、君は3年、僕も3年、同じ3年、揃って卒業…わかる?」

「し、知っておる!そんな事は知っておる!」

無駄に声を張り上げる乙。

「今のはお前を試してみただけじゃ、魚尾!」

「……」

自分が乙の方を試した気分になってしまうのは何故だろう。

「しかしお前の本音が見えた気分じゃ、魚尾。わしと離れ離れになっても、お前は一粒の涙もこぼさぬのじゃな、冷たい奴め」

本音も何も、勘違いしたのは乙だけなのだが。

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