龍太郎一味のご無体な学園生活
そこかしこでバイオリンを弾き語っていても許される校風。

まるでヨーロッパの街中、大道芸人達に混じって弾き語る道化師になったようだ。

それを奇異の目で見る者などいない。

皆、心地よさそうに和音の音色に耳を澄ませる。

自然と手拍子が起き、歌声が聞こえ、中には曲に合わせて踊り出す者までいた。

本来、バイオリンは大衆向けの楽器であったという。

湿気に弱く、デリケートに思われるバイオリンだが、街中で歌い踊る娯楽の中で育まれた楽器なのだとか。

天神学園の中で弾いている時は、レディもどこか嬉しそうな気がした。

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