春の風 舞い散る桜 奏でる音楽
2-Bの教室に向かう途中、
俺たちは、1人の女の子とすれ違った。
「なぁ、彼方。あの子さぁ…。」
「あの子?」
「今すれ違った子だよ。
あんな子、俺らの学年にいたっけ?」
「3年か1年じゃねぇの?」
「いや、タイが濃紺だったから、2年だよ。」
飛鳥は考えこんでいる。
「転校生かなんかじゃね?」
「転校生かぁ!!それなら納得。
てかさぁ、あの子、めちゃめちゃ可愛いかったよなー。
同じクラスになんねーかなー。」
飛鳥はずいぶん、あの女の子のことが気に入ったみたいだった。
「はいはい…」
俺は欠伸をしながら、
適当に相づちをうった。