ヤコとYシャツとマサくん
今日も帰りが遅くなった。
2Fの角部屋。
それがヤコさんとの愛の巣だ。
煌々と明かりが灯っている。
正直なところ、先に寝ていてくれたら、と思わないこともない。
それなら、こんなに後ろめたい思いをしなくてもいいのに…。
「ただいまー」
「おかえりー」
いつものように笑顔で出迎えてくれたヤコさん。
「ご飯にする?それとも私?」
「ご飯は食べてきたけど…」
「じゃ、私という名のデザート?」
「てかヤコさん…」
「どうせお風呂でしょー」
「ヤコさん…」
「沸いてます。温泉旅館なみに沸いてます」
「ヤコさん」
「なに?」
「なんで…浴衣なの?」
俺は尋ねた。
この寒波が襲う時期に、なぜ淡いピンクの浴衣を着ているのか…。
これはあれか?
浴衣プレイというやつだろうか?
するとヤコさんは言った。
「キマってるでしょ?」