ヤコとYシャツとマサくん
ダウンとコートを着てコンビニへ。
一見、分からないが、よく見ると下半身が涼しげだ。
「ちょっとマサくん、帰ろ」
「なんで?」
「だって恥ずかしい…」
「なにが?」
「なにがって…」
注目を浴びながら、熱い缶コーヒーと肉まんを買って車に戻る。
「もういいよマサくん」
ヤコさんが力なく笑った。
「よくないし」
そう、よくない。
ヤコさんを、わずらわしいなんて…。
そんなことを一瞬でも思った自分が許せない。
だから…。
今度は車のトランクに顔を突っ込んだ。
「…ほらあった‼」
高々と勝ち名乗りを上げた手に、握られていたものは…。