ヤコとYシャツとマサくん
そう言うと、マサくんは、私の手を優しく掴んで、
離した。
信じられないから。
お互い、信じられないなら触れ合うべきじゃないから。
「どうせ、どうせ私は可愛くないわよ‼」
「ヤコさん?」
「キマみたく浴衣美人じゃないし、ユマみたく女の子っぽくない‼ヒール履いたらマサくんよりデカくなるし、私だって少しは女の子女の子したいけど、元から身長が高いし、会う男はみんな、背が高いですね?モデルみたいって…マサくんだけだった。初めて会った時に、背の話をしなかったのは、マサくんだけだったのに‼」
「ヤコさん…」
マサくんが肩を落とした。
きっと。
きっと、こんな私にガッカリしたんだ。
ふっ。
失望したんだ。
ふふ。
もう嫌われたんだ…。
はははっ。
て、笑わなくてもよくない⁈
「あーはははっ‼ヤコさんっ‼」
「ひどい‼笑うな、笑うなバカ‼」
「マジでウケるんだけどっ‼」
お腹を抱えて笑い出したマサくん。
同じ流す涙でも、その意味両極端だというのに。
それでも笑い声がおさまると、マサくんはニッコリ笑った。
「ヤコさん、正直に話すよ全部」