ヤコとYシャツとマサくん


「マサさん‼お待たせ‼」


そんな声に振り返る。


「ユマ‼」


声を上げたのはそう、このわたし。


出たなユマ‼


可愛いじゃないかコノヤロー‼


思わず拳を握り固めるも、


「わっ、ヤコさん?思ってたとおり綺麗な人‼」


あ、いい人みたい。


すんごくいい人みたい。


「マサさん、イメージにぴったり‼」


そう言うと、ユマさんは大きな紙袋からなにやら取り出した。


箱だ。


四角い箱。


「ユマさん、ありがとう。間に合って良かった」


マサくんが箱を受け取る。


そしてわたしの前に膝をついた。


「ヤコさんに贈り物」


パカッと箱を開く。


そこには…。


「…ヒール?」


ハイヒールが。


赤いハイヒール。




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