ヤコとYシャツとマサくん


それから、キマさんとユマさんに連れられ、メイクと衣装合わせ。


もちろん、ウェディングドレスだ。


ガールズトークが花咲く中、どんどん花嫁に仕立て上げられていく。


純白のドレスと、真っ赤なハイヒール。


「私じゃないみたい…」


鏡の花嫁は、可憐だった。


「ヤコさん、綺麗」


「マサくんもカッコいいじゃん」


スーツ萌えならぬ、タキシード萌え。


「でも、サイズが間違ってたみたいでさ、明日が本番だからいいけど」


ウエストを気にしている。


花嫁はブーケで顔を隠した。


にやにやが止まらないから。


どうやら、毒入りスープ作戦は成功したようだ。


毎夜、夕飯を食べる時間も遅いが、献立に細工したのだ。


塩分多め、糖分多め。


豆腐ハンバーグといっては、肉100%を仕込み、揚げ物でかためた。甲斐甲斐しく夫の帰りを待ち、温かい揚げ物を貴方のために…。


を装いつつ、食わせて食わせて肥らせる。


他のムシが寄り付かないようにね。


妻をナメちゃダメなんだから。


あなたを生かすも殺すも、


私次第よ。




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