俺のものになれよ
公園通るのは少し怖いけど、走っていけば大丈夫だよね・・・。
昼間は子供たちがはしゃいでる公園も
夜になればひっそりとした怖い空間になる。
外灯が寂しげに遊具を照らす中、彼はいた。
ブランコに座って、一人俯いていた。
それはとても寂しげで
なんだか、声をかけずにはいられなかった。
今にも消えてしまいそうで・・・。
「どうかしたんですか?もしかして具合が悪いんですか?」
声をかけると、彼は俯いていた顔をゆっくり上げたんだ。
外灯に照らされた表情は、哀しげで、瞳が涙に濡れていた。
「あ・・・あの・・・これ、飴なんですけど・・良かったら」
「飴・・・?」
「どうぞ、美味しいんですよ」
彼は私が差し出した飴をじーっと見た後
「ありがとう」
って受け取ってくれた。
「何があったのか知らないけど、元気出してね。
世の中悪いことばかりじゃないよ」
って、私は家に帰ったんだけど。