【完結】キスからはじまる恋。
「……はぁ」
さっきからため息ばかりついている。
だって、謝ろうと思ってたけど、アイツがオレのこと避けるから。
よりショックに感じる。
「あー……もう、なんだよアイツ」
そこまで俺を拒絶する理由が分からない。
女たらしって言われたけど、そんなイメージを持たれていると知った時、かなりへこんだ。
「……あっ、アイツ。……ん?」
ーーーえっ?
アイツが、彩音が男と歩いている。
しかも仲良さそうに、笑いながら歩いている……。
ーーー誰だ!あの男は?
見たこともない男だ。
えっ……。まさか、アイツの彼氏……?
いやいや、そんなわけがないと信じたい。
いや、でもめちゃくちゃ笑ってる。
オレには見せたことのない笑顔を、その男に見せている。
彩音、そいつ誰……?
オレの知らない彩音を目撃して、かなり今、戸惑っている。