【完結】キスからはじまる恋。
オレは顔を近付けてもう一度あの時みたいに、キスしようとした。
ーーーでも不思議なことに、彩音は逃げようとはしなかった。
だからオレは、試してみることにした。
「彩音、オレのことが嫌いなら拒否しろよ。……じゃねぇと、本当にまた、゙キズするぞ?」
「………」
彩音は下を向いたまま、何も言わなかった。
だからオレはーーーー
「……いいのか?本当に、キスするぞ?」
「……本当、サイテー」
逃げなかったから、本当に彩音にキスした。
……彩音と、2度目のキス。
「……ちょっと」
「……おまえなんで、逃げないわけ?逃げようとしたかったんだろ?」
「……うるさいっ!」
彩音は悔しそうな顔をしながら、出ていった。
……まさか本当にキス、するとは。
心なしか、彩音の顔がやっぱり赤くなっていた気がした。