【完結】キスからはじまる恋。
「彩音」
その日の放課後、オレは彩音の所へ行った。
まぁ、一緒に帰りたかったっていうのが、本音なんだけど……。
「なに……?」
「一緒に帰らないか?」
「え?でも、あたしは委員の仕事あるから、もう少しかかるよ」
「じゃあ、終わるまで待ってる」
「え?いいよ……先帰りなよ」
「オレが待ちたいんだ。気にするな」
「まぁ、そう言うなら……」
オレは彩音の仕事が終わるまで、図書室で待っていた。
アイツ、本が本当に好きみたい。
ずっと本見てる。
しかも、嬉しそう。
……彩音のこんな顔、始めて見たかも。
こんな顔も、するんだな。
「………?」
彩音と目が合ったけど、すぐにそらされた。
そして彩音は5時過ぎに、委員の仕事が終わった。