【完結】キスからはじまる恋。
「よし、帰るぞ」
「えっ?ちょ、ちょっと待ってよ……!」
彩音の腕を引っ張り、図書室を出る。
そのまま彩音の手を、俺の手に絡めて、握り直した。
「……え?」
彩音が、驚いだような表情で目を丸くする。
そして俺を見る。
「いいだろ?だってオレたち、付き合ってるんだろ?」
「いや、それはそうなんだけど……」
「イヤなんだったら、手ぇ放せばいいさ」
「………」
彩音にそういえば、彩音は手を放すかと思ったけど。
ーーーなぜかずっと繋いだままだった。
……放すかと思ったのに、なんで繋いでるんだ?
彩音のことが、ますます分からない。
なんで付き合ってくれたのかも、オレには分からないままだ。
ーーーー謎すぎる、オレの彼女。