【完結】キスからはじまる恋。
「……えっ、ちょっと……」
後ろから突然、抱きしめられる。
力が入って、だんだん離れられなくなる。
「……ごめん、彩音」
「……いや、べつに。もう、いい……」
急にドキドキして、顔をあげられなくなっていた。
……なんで。なんで、こんなこと平気でするの?
「……彩音?」
「……もう、いいから……。離して」
あたしは腕からするりと抜け、窓の外の方へと寄った。
「彩音……?どうした?」
「……やめて」
「え?」
「……あたし以外の女の子と話したり、しないでよ……」
「……え?」
あたしも、自分でなに言ってるんだろう。
言ったあとに、そう気が付いて、後悔が押し寄せる。
ーーーなんで、こんなこと、思ってるんだろう。