【完結】キスからはじまる恋。
「アイツの好きな女って、おまえだよ」
「……え?」
「だから、あんま関わるなよ」
「え、ちょ、大夢……!」
大夢はそれだけ言い残して、図書室を出ていってしまった。
ーーーえっ、どういうこと?
どうして、斎藤くんの好きな人があたしだって分かるの?
それに、あの言葉………。
「アイツに、あんま関わるなよ」
その言葉の意味が、よく分からなかった。
単なる、大夢のヤキモチかと思っていたけど。
ーーーそうじゃないと気がつくのは、もう少し後だった。
「彩音、帰ろうぜ」
「あ、うん」
あたしは大夢の後を追うように、歩いていた。
その後ろ姿を、斎藤くんが見ていたなんて、知らずにーーー