【完結】キスからはじまる恋。
ーーー忘れもしない。
アレは真夏の暑い日の、昼休みに突然起きた、出来事だったからだ。
「……おい」
誰かに話しかけられたため、声のする方へ振り返ると……。
「えっ、ちょ……んん……!?」
ーーーバシッと腕を掴まれたと思ったら。
壁に押し付けられて、突然唇を奪われたのだ。
ーーーあたしのファーストキスを奪った相手は、
あたしの大キライなアイツだった……。
突然のことで頭の中が真っ白になり、思考回路は停止する。
「……おまえ、なんで逃げるんだよ?」
「なっ……な、なにすんのよ……!?」
「なにって、キスだけど?」
「そうじゃなくて……!なんでキスしたのかって、聞いてるのよ……!!」
「おまえが逃げようとするからだろ?」
「はっ……?」