【完結】キスからはじまる恋。
「……ケチ」
「なにもケチじゃねぇよ」
大夢はそう言ってあたしの頭を優しく撫でた。
ーーーもう、すぐはぐらかすー。
結局、教えてもらえなかった。
なのでもう、諦めることにした。
それからしばらくして、大夢と学校帰りにゲームセンターで、またハマっている音楽ゲームをして遊んでいた時ーーー
大夢はフツーにスマホを見ていたけど……。
「ーーーえっ?ひろ?」
誰かがあたしたちに声をかけてきた。
そして声のする方に、あたしたちは振り返った。
「……えっ?」
声の主を見て、大夢の顔が一瞬だけ……強張った気がした。
そして驚いように、目を見開いてその人を見ていた。
「……佳奈?」
えっ?佳奈って、誰……?