【完結】キスからはじまる恋。
「……全部、話したのか」
「全部じゃない。……゙あのこどだけは話してない」
「……そうか」
「オレはそこまで、話すつもりないから」
「…………」
「話すなら、おまえ自身で話せ。……オレにそんな権限はない」
斎藤はそれだけいうと、またノートに視線を移し、文字を書き始めた。
斎藤が言ゔあのこど。……できれば話したくはない。
オレにとっては、なにより思い出したくない過去だからだ。
彩音にもし話したとして、彩音がどういう反応をするのか、怖くて言えるわけがない。
話さないとイケない時があるのかもしれない。
……でも今は、話すことは出来ない。
余計に、アイツを傷つけたくない……。
アイツのこと、好きだからーーー