【完結】キスからはじまる恋。
「はっ!?ふ、ふざけないで!」
「なぁ、オレと付き合えよ」
「なっ……」
顔を近づけられて、またキスされるかもしれないと思い、ふいに目を閉じてしまう。
ーーーって、なにやってんのあたし!
なんで目なんか閉じたの!?
ダメよダメよ!!アイツのペースに巻き込まれたらダメ……!!
「……なに?また、キスでもする?」
怪しい笑いを浮かべ、アイツはそう言った。
そしてあたしのアゴを持ち上げる。
「なっ……なにすんのよ!キスなんてしないわよ……!」
「なーんだ。してほしそうな顔してたのに?」
「っ、し、してない!バカにしないで……!」
あたしはアイツの腕を振り払い、そのまま階段を上がっていった。
……ダメだ。ダメダメ。
アイツのペースに呑み込まれたら、終わりよ。