彼と夕日に恋をした。
気がしただけ。


秒針は、一秒一秒を刻み込むけど、私達の動きは停止する。


「……何て??」


もう何を言っていいかわからないし。


自分でも何を言ってるかすらわからない。


だから、聞き返してしまった。


「な、何回も言わせんな…」


またそっぽを向いて、一言。


「俺も、…好き…やで。」


みるみる顔は赤くなり。


いつのまにか夕日も沈み、辺りは暗くなっていた。


月と、ちらほら出てきた星が私達を見守る様にして輝いていた。


なんて返せばいいのやら。


やっぱり私にとっては、未知の世界だった。


恥ずかしくて、嬉しくて。


彼への対応に困る。


そこからは、無言だった。


お互い、言いたい事は沢山あるが。


何もいえなかった。


さしていた傘は閉じ。


微妙な二人の距離が、


二人を焦らした。
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