彼と夕日に恋をした。
君と。
学校からの、帰り道。


夕日が眩しく照らしつける。


私だけ、じゃなくて。


君も、照らされていた。


私の数歩先を歩く君。


いつもは帰り道で、君を見かけた事なんてなかったから。


顔には出さないが、心は相当弾む。


私が上機嫌でいると、君は急にこちらを向いた。


夕日が逆光になって、君の表情が見えないのが、残念だった。


別に、君と喋るわけでもなかった。


ただその日は君の後ろ姿に浮かれながら帰った。

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