彼と夕日に恋をした。
「夢が、叶うんだ」


彼の夢は昔から知っていた。


大会社の社長。


叶うって事は、また出ていくんだろう。


また、私を置いていくんだろう。


今度ばかりは待てる自信がない。


ハチ公も主人を待ち続け、死んだ。


帰ってこれやしない主人を待ち続け。


私は、そうはなりたくない。


幼い二人が出会いたての頃した約束。


彼は覚えてる??


ちっぽけな約束も、


私にとっては。


とってもとっても大切な、


思い出。
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