彼と夕日に恋をした。
「なぁなぁ」


綺麗な青空がどこまでも続いていた。


私達はただ青空を見上げていると、彼から声がかかる。


「なにィ??」


私は、彼の方向を向くワケでもなく、まだ青空を見ていた。


「あのさ、俺、大会社の社長になりたいねん」


私は、わざと彼に聞こえる様にため息をつく。


「何回すんの、その話。」


私はじとりと呆れた視線を彼に向ける。


それでも彼は私の言葉と視線を無視して。


「ほんで、おまえに俺の」


「"さぽーと"やろ」


何回も聞いた話だから、わざとかぶせて話す。


「仕事の"さぽーと"だけやなくて」


「アタシを嫁さんにして恋も"さぽーと"やろ??」


そう言うと彼は驚いて私を見る。


「よぉ分かったなぁ」


そう言う彼に対し私は微笑んで、


「アンタの考える事は手にとる様にわかるわ」
< 26 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop