彼と夕日に恋をした。
「やっと…」


傘立てに腰掛け一人雨が止むのを待っていると、やっと日が靴箱玄関を照らす。


さっきのどんよりとした雲はどこにいったのか。


虹さえも見える。


夕日と虹のマッチは、心を明るくさせた。


目に、焼き付けとかないと。


周りの皆は、まだ三年生だというのに携帯を持っている子がいる。


私がまだ持てるわけもなくて、形に残す事ができないのが悔しかった。


でもあしどりは軽くて。


軽くハミングまででだす。


私はルンルンで歩いていて、ランドセルはガタガタと音をたてる。


フッと視界に何か黒いものが横を通りすぎた。


いや、私が、通りすぎたのだ。


私はそれが誰かに気づき数メートル先で完全停止。


恥ずかしすぎて…フリーズ。


しばらく謎の沈黙が広がり、その人物は、沈黙を破った。


「プッ…アハハ!!」


    笑い声で。
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