彼と夕日に恋をした。
大人傘は思ったよりも重い。


靴箱玄関まで迎えに行こうかと思ったが、なんだか恥ずかしくなって。


待つことにした。


意気地無しだな、俺。


少し自分に腹がたった。


ザァザァと雨音は同じ音をたてるばかり。


雨粒に濡れる、どこからかやってきた蛙。


目をやっていると、蛙も気づいたのか。


俺の方を向く。


しばらく蛙とにらめっこ。


蛙は、俺がいつ襲って来てもいいように、警戒心全開で、逃げれる体制を崩さない。


俺は、ただ蛙を見つめていただけ。


暇つぶしに。


すると蛙は、飽きたのか、


襲って来ないのが分かったのか。


また、何処かに行ってしまった。
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