初恋
11
転校先は鹿児島だそうだ。
それは小学生には実感ができない
それほど
あまりに
遠い距離。
ただ、もう会えない。
ということだけは容易に想像ができた。
休み時間に藤富千夏のまわりに女子が集まっていた。
「ちなちゃんケータイは持ってない?」
「手紙書くね」
「元気でね」
「ぜったい遊びに行くから」
「これに名前と住所書いて」
「わたしも」
「プリ交換しよ」
「今度一緒に撮りに行こうね」
たくさんの言葉に囲まれて、藤富千夏は笑っていた。
でも、その笑顔は、ぼくの心臓をぎゅっと締め付けた。
ぼくは声をかけることはできなかった。
そういえば今日は
「おはよう」
も交わしていないや。
それからの二カ月は時間が飛ぶように流れて行った。
とくにこれといった事件もなく。
ぼくと藤富千夏の関係もなんの変化もなかった。
ぼくも自分の気持ちを伝える気はなかった。
伝えたところで辛いだけだ。
あっという間に夏休みにはいって
藤富千夏は鹿児島へ引っ越していった。
ぼくの初恋は
終わった。
それは小学生には実感ができない
それほど
あまりに
遠い距離。
ただ、もう会えない。
ということだけは容易に想像ができた。
休み時間に藤富千夏のまわりに女子が集まっていた。
「ちなちゃんケータイは持ってない?」
「手紙書くね」
「元気でね」
「ぜったい遊びに行くから」
「これに名前と住所書いて」
「わたしも」
「プリ交換しよ」
「今度一緒に撮りに行こうね」
たくさんの言葉に囲まれて、藤富千夏は笑っていた。
でも、その笑顔は、ぼくの心臓をぎゅっと締め付けた。
ぼくは声をかけることはできなかった。
そういえば今日は
「おはよう」
も交わしていないや。
それからの二カ月は時間が飛ぶように流れて行った。
とくにこれといった事件もなく。
ぼくと藤富千夏の関係もなんの変化もなかった。
ぼくも自分の気持ちを伝える気はなかった。
伝えたところで辛いだけだ。
あっという間に夏休みにはいって
藤富千夏は鹿児島へ引っ越していった。
ぼくの初恋は
終わった。