チョコケーキ戦争
「明日買いに行くの?」
「行く」
「だったら、早く行った方がいいよ」
「何で?」
不思議そうな顔をする紘哉を、羽兎が得意そうに見る。
彼女は指をピンと立て、説明し始めた。
「何かついった~で大騒ぎになってるよ!みんな行くって!」
「そうだろうな」
「あと、霞さんも行くって呟いてた」
「……」
紘哉の顔が険しくなる。
あの霞が来るとなると、戦争になりかねない。
いや、間違いなくなるだろう。
「シャラオか……」
「うん。だから、明日は頑張れ」
ニヤニヤ笑う羽兎。
彼女はこの状況を思い切り楽しんでいる。
今年の誕生日は、安穏に過ごせそうもないと彼は悟った。