チョコケーキ戦争

「そうですか……」

「ええ。どうやら、話によると整理券を配るみたいですよ」

「やはり、人気なんですかね」

「そのようですね。お互いに頑張りましょう」

照れ臭そうに笑い、それだけ言うと彼は前を向いた。

忘れられなくなるほどの絶品なのか。
そして、何を頑張るのかさっぱり分からない。

眉を寄せ、考え込む紘哉の背中に衝撃が走った。

「おはようございまーす!」

「……」

振り向くや否や、顔をしかめる。
そこには、羽兎、恵一、霞、焔美が立っていた。

「……何の用だ」

「ケーキ買いに来たに決まってるじゃん!」

羽兎が顔をキラキラさせて笑う。

< 6 / 17 >

この作品をシェア

pagetop