チョコケーキ戦争
「そうですか……」
「ええ。どうやら、話によると整理券を配るみたいですよ」
「やはり、人気なんですかね」
「そのようですね。お互いに頑張りましょう」
照れ臭そうに笑い、それだけ言うと彼は前を向いた。
忘れられなくなるほどの絶品なのか。
そして、何を頑張るのかさっぱり分からない。
眉を寄せ、考え込む紘哉の背中に衝撃が走った。
「おはようございまーす!」
「……」
振り向くや否や、顔をしかめる。
そこには、羽兎、恵一、霞、焔美が立っていた。
「……何の用だ」
「ケーキ買いに来たに決まってるじゃん!」
羽兎が顔をキラキラさせて笑う。