チョコケーキ戦争
その後ろで、何か企んでいるような笑みを浮かべる霞。
同じ職業として、何故か同族嫌悪する。
「紘哉サンもやっぱり来たんスね」
「……悪いか」
「いえ、別に」
ありきたりな会話も、どこか白々しく感じる。
微妙な空気が漂う中、空気の読めない恵一が紘哉の肩を叩いた。
「まあまあ、ここはみんなで仲良くいこうぜ?」
「……」
本当に仲良くなんてやっていけるのか。
まぁ、それは無理な話だろう。
紘哉は手を払い除けると、前を向いた。
どうやら、気付かぬ間に整理券を配り始めていたらしい。
数量限定。
何枚あるか分からない。