純白の君へ


そんな一年前のことを私はふと思い出していた。私は店先の掃除を終わらせて、お店の中に入ろうとすると

「すみません!…まだお店開いてますか?」


私はいきなりサラリーマンらしき男性に呼び止められた。走ってきたのか、息を途切れ途切れにさせている。ほんとうのところは、もう店じまいだったが、こんなに息を切らせてまで走ってきたようなので店じまいはもう少しまつことにした。

「まだ大丈夫ですよ」

「よかった。ほんとうにすみません…」


男性は本当に申し訳なさそうに頭をさげた。

その男性は数本の花を買うとまた頭を下げてかえっいった。




< 5 / 126 >

この作品をシェア

pagetop