純白の君へ
彼はお店に来るたび毎日私にハナミズキをくれた。私はなぜくれるのか聞いてみたこともあったが彼は
「なんでもないんです、きにしないでください。」
というだけだった。どうしてくれるのかも、どういう意味があるのかもわからないのに私は不思議と嫌悪感を抱くことはなかった。
それはきっと彼が、少し照れたようにふわっと微笑みながらハナミズキを手渡してくれるからかもしれない…
私がこの時、自分の気持ちに気づくことは、まだなかった…