不遜な蜜月
理人の人の見る目は信頼してる。
美紗だって、玲奈が個人的に嫌いなだけで、客観的に見れば魅力的な女性だ。
他の女性のように、お金目当てではないだろう。
美紗の実家は裕福だし、彼女自身もネイルサロンの経営者。
これだけ好条件が揃っているが、玲奈はやっぱり、美紗が嫌いだ。
それに、美紗は結婚を考えているようには見えない。
「結婚を意識するような関係じゃない。それに・・・・・・」
つい、真緒の事を言ってしまいそうになり、理人は不自然に口をつぐむ。
それに気づかない程、玲奈も鈍感ではない。
「それに? それに、ってどういう意味?」
ここまでズケズケと聞いてこられると、最早清々しいくらいだ。
「結婚相手がちゃんといる、って言いたいの?」
「・・・・・・ゴホン。俺のことより、自分のことを気にしたらどうだ?」
話題を変えようと、理人はわざとらしい咳ばらいをする。