不遜な蜜月
「可愛い」
真緒が照れたように笑う。
家族になりたい―――それは、この状況のすべてが間違いではないことを示す。
その言葉が、真緒には何よりも嬉しい。
単純すぎて、人は笑うかもしれないけれど、ふたりには重要なこと。
家族になろう。
手を繋いで、寄り添いあって、キスをして。
冬の寒さも忘れてしまうくらい。
「真緒、好きだよ」
二度目の好きに、真緒は優しく笑ってくれた。
大丈夫。
君を見つけた。
もしも繋いだ手を離すことがあっても、今度は見失わない。
また、君を見つけるよ。