不遜な蜜月
不遜×蜜月
会社帰り、スーパーに立ち寄ると、お肉がとても安かった。
「・・・・・・」
「あんた、一体何を作るつもりなの?」
カゴの中の食材を見て、彩子が不思議そうな顔をする。
「えっと、ポトフの予定だったんだけど、トンカツ用のお肉が安売りだから、カツカレーにしようかな、って」
「カツカレーの量じゃないでしょ、これは」
カゴの中には、キャベツや魚の切り身も入っている。
「これは、明日のロールキャベツ用。この魚は冷凍しておこうかな、って」
「社長、よく食べるわねぇ」
この買い物は、理人のための買い物だ。
「作る側としては、嬉しいことだよ。好き嫌いないのも、助かるし」
「そうね。で、入籍はいつ?」
彩子の問いに、真緒は俯きながら答える。
「年明け、かな」
「そっか。おめでとうは、まだ早すぎかな?」