不遜な蜜月
彩子の笑顔に、真緒もつられて笑顔になる。
いろいろ考えることはあるけれど、今は幸せだと思う。
「彩子は?」
「何が?」
「気になる人とか、いないの?」
彩子は興味なさげにカボチャを手に取る。
「私は花より団子なの。恋愛なんて、疲れるだけだし」
「・・・・・・」
同い年とは思えない意見に、真緒は絶句してしまう。
「それよりさ、社長って絶対に親バカだと思うのよねぇ」
「親バカ・・・・・・」
そういうタイプには見えないのだが、子どもが産まれると変わるのだろうか?
「カボチャ丸ごと一個は、さすがに食べ切れないなぁ」
仕方なく、半分に切られたカボチャに手を伸ばす彩子。
(料理上手で美人なのに、もったいないなぁ)
彩子を横目で見つめながら、真緒は買い物を続けることにした。